論文まとめ

研究紹介とか

薬物依存の渇望の変化は、脳活動変動と関連している(09 February 2018, Addiction Bio)

Title:

Time‐dependent neuronal changes associated with craving in opioid dependence: an fMRI study


Author:

Anna Murphy,  Dan I. Lubman, Shane McKie, Prun S. Bijral, Lesley A. Peters, Qasim Faiz, Sophie E. Holmes, Ian M. Anderson, Bill Deakin, 10 and Rebecca Elliott


結論から言うとこの論文では

オピオイド依存の渇望は扁桃体と前帯状皮質(dACC)が渇望のオンオフにかかわっている可能性がある
・先行研究で指摘されていた内側前頭前野などは大きくかかわらなかった。

 

Method:

20分間のオピオイド関連の画像を18名の薬物依存患者と20名の健常者にMRI内で見せて、主観的な渇望や気分を聞いた。
それらに対し、時系列解析を行った。

Insight:

扁桃体は薬物依存における渇望と大きく関わり、その脳活動の変化と渇望の変化は相関していた。

・一方でdACCは高まった渇望を抑えるのに役立っている可能性がある。

Unknown:

・vmPFCも深くかかわると予測されていたが、結果上からは特に関わっているようには見えない
・しかし、被験者特性など様々なものが関わっているので、一概には判断不能
・また行動依存やアルコール依存など、薬物の影響がない依存群でも同様の傾向がみられるかは不明

 

感想:

精神症状の時系列変化はかなり報告されていますが、その変化などの脳部位が関わるかなどはまだまだ未開拓な部分なのでとても面白い視点かなと思いました。